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バシレイオス物語 その12

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バシレイオス物語 登場人物整理 

2007-11-11 ; 人物列伝

国家に対する忠誠とは正直で誠実であることだけなのだろうか・・。裏切りもまたひとつの忠誠心となることもあるのかもしれない。
【ミルミル・ハミール「名も無き手記」より】



シカツーノはアンナへの謁見許可をもらい、意を決してアンナの自室に向かう。
アンナの部屋の前には二人の屈強な兵士が無表情に立っており、シカツーノに軽く会釈をすると、扉は開かれる。
うやうやしく礼をしつつ、シカツーノは口を開く。
「アンナ様。夜分に恐れ入ります」
その言葉どおり、アンナの部屋へは月の光が差し込んでいる。
アンナはシカツーノのほうへ向き直り、目で挨拶を交わす。
「お兄様のことなの?シカツーノ」
「はい。そうでございます。アンナ様。さきほどバシレイオス様とまたやりあってしまいまして・・」
ばつの悪そうなシカツーノ。
「お兄様もシカツーノも妙に頑固なところがありますものね」いつものことだという風にアンナ。
「いえ、今回は・・。国の存亡に関わることです・・。アンナ様・・」
アンナの名を呼んだところでシカツーノの声は止まる。この先をアンナに伝えるべきか、伝えないべきか・・。
握り閉めた拳に汗がにじむ。
「シカツーノ。あなたが何を言いたいか、私には予想がつくのよ。私のことと言えば、結婚の話でしょう」
「・・・・・はい」
一呼吸おいてから、シカツーノはアンナの眼をまっすぐに見つめ意を決する。
「キエフ・ルーシに行ってもらえませんでしょうか・・。彼らが蛮族ということは心得ています!」
シカツーノやバシレイオスがキエフを蛮族と言うのにはいくつかわけがある。その中でも最大の理由が、キエフはキリストを信仰してないことだ。
「シカツーノ。私たちもかつてギリシャポリスより蛮族とののしられていました。キエフも未来には逆に私たちを蛮族と呼称してるかもしれないのですよ。」
アンナの言葉の真意を全く測りかねるシカツーノ。アンナの言葉は続く。
「私との結婚を約束するために、彼らに条件を出すのはどう?
ギリシャ正教に改宗しなさいと。」
その言葉を聞いたシカツーノの体には電撃が走ったようだった。アンナという女性は、比類なき才女なのだと今はじめて彼は知ったのだ。バシレイオスが皇帝になれば起こりうる苦境。その脱出のためにはキエフを味方につけること。キエフにとって、ビザンツの歴史と権威は魅力的なこと。ギリシャ正教に改宗させることで、バシレイオスが納得し、キエフは今後ギリシャ正教の元にビザンツの友軍と長くなるであろうこと。
アンナはこれら全てを見抜いていたのだ。
「アンナ様。では・・ご了承いただけるのでしょうか?」
「ええ。皇帝の娘に生まれた私が政略結婚することは運命と思ってるの。だからシカツーノ。私は行っても構わないのよ」
「ありがとうございます!キエフ・ルーシへの条件。必ずやのませます」
「でもね・・・・」
寂しそうな顔でアンナはシカツーノへ言葉をかける。そしてシカツーノに歩み寄り、彼をぎゅっと抱きしめると・・・、
「シカツーノ。私の最後のわがままを聞いて」
シカツーノもそれに察したのか何も言わず、彼女を抱きしめるのであった。

ここで話は途切れるが、ギリシャ正教とカトリックの違いを述べておく。
カトリックは、ご存知ローマ教皇が頂点に立つ。世俗にどれだけ巨大な王がいようとも、カトリックの世界ではローマ教皇がもっとも高い地位にある。
これとは違いギリシャ正教は、ビザンツの皇帝が頂点に立つ。聖俗ともに皇帝が支配する。
なのでビザンツ以外の国がギリシャ正教を国教とした場合、宗教に関して最も高い地位にあるのは、カトリックと同じくビザンツ皇帝がその地位にある。なので、ビザンツとその該当国家が存続する限り、ビザンツはその国家に永遠と影響力を持つことになるのだ。

そして翌日の朝、早馬がキエフ・ルーシに向けて旅立った。ビザンツの希望をのせて・・・・。

このペースだと、たぶんその20くらいまで行きそう。会話と説明文中心に進めてなるべく展開はやくするようにします。
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