ドーティ職人物語::雑記
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ドーティ職人物語

2007-10-23 ; 雑記

カリカットの郊外にひっそりと軒を構える簡素なログハウスをご存知だろうか?
ここには知る人を知るある職人が住んでいる。
遠くフランスはマルセイユからこの地に移り住み今やインド一の服飾職人になった異色の人物・・・彼こそが至高の技術を持つ職人・・名前をアントレセンという。
彼は職人にありがちな頑固一徹を絵に描いたような人物だったので過去に一度たりとも弟子はとったことがなかった・・・。しかし二ヶ月前、あるイスパニアの冒険者を弟子にしたのだ。これにはカリカット中の職人たちが驚き、一時は大きな騒ぎとなったほど・・・。それほどアントレセンはきむずかしい人物であった。
そんな彼の工房兼販売店にまた一人客がやってきたようだ・・。
「親方ー。ドーティをひとつくれ。」
一見するとひょろっとした背の高い優男なこの男。しかし、眼光は異様に鋭い・・。
「1.5Mになるが・・」
アントレセンはぶっきらぼうにそう答える。その価格に血の毛の引いた顔で男はがぶりをふる。
「いくらなんでも高すぎないかい?150Kが相場だろう」
「なら150Kで買えるところで買うといい」
苦虫を噛み潰したようにアントレセン。その言葉を聴いた男は無言で店を立ち去ったのだった・・・。
いつもの頑固なアントレセンらしい日常がここにはあった。
そうこうしているうちにまた客がやってきたらしい・・・。

「アントレセン。ドーティはできてるか?」
精悍な顔つきで体はがっしりとした男が低い声でアントレセンにそう声をかける。その体は軍人なのか無数の傷跡がある・・。
「ああ、あんたか。真紅のドーティだな。できてるぜ。」
「おお!これが完成品か!」
男は顔をしわくちゃにして喜びをあらわす。
「で、いくらだ?」
「そうだな・・。2M・・・くらいか。」
「アントレセン。またそんな価格じゃあ赤字じゃないのか?」
「まあ、金儲けのためにつくってるんじゃないからな。」
「そうか。なら今晩一杯おごらせてくれよ!」
「しかつの・・。悪いがまだあのくそガキが帰ってこないんだ・・。まったく何やってんだか・・・」
しかつのと呼ばれたがっしりとした体つきの男は肩をすくめ、またくると言い残し、扉を開く。
と、ちょうど「くそガキ」が帰ってきたようだ。
「あ、しかつのさん。お久しぶりです!」
まだ青年になりきれていないくらいの少年が、元気よくしかつのに声をかける。
「サイコ!戻ったのか。これで今晩いけるよな?アントレセン。」
「しゃあねえなー。今晩だけだぞ。」
といいながらも、アントレセンの顔はほころんだ。なにしろ彼は無類の酒好き・・・。

その夜・・・・

ほろ酔いの二人はのんきに談笑している。そこに幼いが芯のしっかりした少女が声をかける。
「まったく・・ビールなんてどこからもちこんだの・・」
「パール。それは言わねえ約束だぜ。」ガハハハと大きな口を開き酔いがまわっているしかつの。
カリカット酒場ではビールは出していない。なぜしかつのがビールを飲んでいるのかというと・・・。秘密は隣のコチンにある。ここで小麦を仕入れ、ビールを自家生産しているというわけ。なので、ビールは飲み放題といったところだ。
一息ついたところで、しかつのは急に真剣な顔でアントレセンに問う。
「アントレセン。今年は大会に出るのか?」
「ああ、弟子も入ったしな!今年はあいつのためにも優勝してやるつもりだ。」なんのかんので、弟子がかわいいアントレセン。
「ほお。そのために仕入れをサイコにやらせたのか!これは楽しみだ。ガハハハハ」
「今年の大会は、俺の故郷マルセイユで開催なんだよ。」
「なら、俺がマルセイユまで送ってやるよ!」
「お前のラロワは乗り心地が悪いんだが・・・。まあ、我慢してやるよ。」
そんなこんなで夜は更けていく・・・・・。明日に起こる事件も知らずに・・・・。

あと二回くらいこの謎の物語は続きます。
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