鉄の皇帝バシレイオス物語 その1::人物列伝
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鉄の皇帝バシレイオス物語 その1

2007-07-04 ; 人物列伝

※最初に・・
この物語は、小説風味ですが通常の小説と少し表現方法が違います。修飾語をほとんど廃し、流れを追うように書かれています。

農民からは神と崇められ、民衆からは拍手と賞賛で迎えられ、商人は涙を流し、貴族は畏怖した。
【ミルミル・ハミール著「我が皇帝」より】


959年のことであった。偉大なる哲人皇帝コンスタンティヌス7世が病に倒れ、崩御。
このニュースを聞いたビザンツの全国民は、嘆き悲しんだ。コンスタンティヌス7世自身と彼の文化奨励政策によって最盛期を迎えたマケドニア朝ルネッサンスもまもなく終焉を迎えることであろう。また、キエフ公国、神聖ローマなどとの友好関係も今後あやうくなるであろう。
皇帝の交代とは、常に国内・国外ともに波乱が起こるのがこれまでの歴史が証明している。
人々はひとときの平和の後、皇帝の崩御によってまた戦乱の世が訪れるかもしれないと嘆いたのだ。

悲しみにくれる帝都コンスタンチノープル、しかしいつまでも前皇帝に思いをはせるわけにはいかない・・特に前皇帝の息子ロマノスにとっては・・・。
ロマノスはロマノス2世として即位し、セント・ソフィアに父が重用した全重臣を集めこう宣言する。
「余は、コンスタンティヌス7世の行った政治を続行する。すなわち、余自身は政(まつりごと)は極力口を出さない。行政は、ブリンガヌス・デカポロティスに。軍事は、フォカスとその甥ヨハネスに。」
重臣たちは、わずか20歳の若い皇帝にかしずき、深く頭をたれた。このとき、バシレイオスわずか2歳。彼は2歳にして最初の肉親を失ったことになる。

時は流れ963年3月。復活祭のシーズンであった。2歳の幼児は、5歳の少年へと成長していた。
皇帝としての彼の教育もはじまり、教育係としてハミールが学問の全てを教えている(といってもこの歳なので、まだまだべ勉強といったたぐいのものではないのだが・・)。
また、バシレイオスはやや内公的な少年で、ハミールから語られるさまざまな物語を好んで聞いた。逆に、体を動かすことがあまり好きではなかったよう・・。
「皇子!皇子ぃーーー」野太い嘆きの声が聞こえる・・・。この声の主は、バシレイオスの剣術担当シカカーク・ロクツノという人物。彼は、ビザンツ一の剣豪と謳われ、先のブルガリアとの敗戦の際にも数百といえる死体の山を築いたらしい・・。
少年は、剣術の稽古がよほどご不満らしく、トイレといつわり逃げ出したのだ。そんなわけで、シカカークの叫び声が広場にこだましていたというわけ。
少年は、息をきらしながらいつもの避難場所へと一目散に駆けた。
5分ほど走ると、彼の視界に小さな厩舎が入ってくる。そこにたたずむ一人の少年にバシレイオスは手を振った。
「シカツーノー。お前の父上はひどい!」そう叫んだバシレイオスに、シカーツノと呼ばれた少年は困った顔で・・、
「バシレイオス様・・。また逃げ出されたのですか!」
「おもしろくないんだからしょうがないー」とバシレイオスは笑顔でシカーツノに答える。
この厩舎は皇族ご用達の厩舎で、皇帝一族が狩りに出かける際の馬を管理している。シカツーノは、父シカカークが教育係りとして雇われたので、厩舎で馬の世話をすることが許されていたのだ。
そうこういっているうちに、後ろから大きな足音が近づいてくる。そう、シカカークだ。
「逃げるぞ。シカツーノ!」そういって、シカツーノの腕を強引につかんで、バシレイオスは走り出した!

そんな、やんちゃな少年のいつもの一日のこと・・・。

長くなってきたので一旦きります。
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