「不世出の戦術家」ハンニバル その2::人物列伝
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「不世出の戦術家」ハンニバル その2

2005-06-19 ; 人物列伝

トレビア川で対峙したローマ軍とカルタゴ軍。
ローマ軍は歩兵に中心勢力をおいており、騎兵にその回りを守護させ、中央突破して敵を壊滅させる戦術をとっており、これに対しカルタゴは歩兵から騎兵に中心勢力をシフトさせ、中央突破される前に騎兵によって敵兵を囲い込み攻撃する戦術をとっていた。
このカルタゴの戦術は戦術史にとって革命的なことであり、歩兵によるファランクス戦術を完成させたエパミノンダス以来の画期的な戦術であった。
トレビア川に集結したローマ軍40000名(騎兵4000名)カルタゴ軍38000名(騎兵10000名)
ローマ軍は密集隊形でカルタゴ軍の中央突破を図ろうとし、じりじりとその歩をすすめた。一方カルタゴは両翼の強力な騎兵がすぐにローマ騎兵を圧倒する。しかし、ローマ歩兵は強力で、ついにカルタゴ軍の中央突破を果たす。そのとき、もっとも強力なヌミディア騎兵を率いたマゴの別働隊(山の中に隠していた)がローマ軍の背後から襲いかかり、両翼の騎兵とともに攻撃を始めると、ローマ軍は大混乱に陥り敗走していった。
この敗退によって、ローマ軍はハンニバルの新戦術にきがつくことができなかった。これが、後の大敗北につながる。
次にハンニバル率いるカルタゴ軍はトランシメル河畔でローマ軍38000を奇襲し、敗走させる(前217年6月)。
これをみたローマ執政官ファビウスは持久戦の構えをとり、決戦は翌年の冬に持ち越される。
ローマ軍はその間に兵力を蓄え、いよいよカルタゴとカンネーで決戦を挑む。
ローマ軍 歩兵80000人 騎兵6000人 執政官 ワロとパウルス
カルタゴ軍 歩兵40000人 騎兵10000人 ハンニバル
ます緒戦でハンニバルは左翼騎兵を操るハルドルバルに突撃を命じ、カルタゴ重騎兵はローマ騎兵を粉砕し、陣をそのまま囲むように進軍させた。
これに対し、パウルスは凸状のカルタゴ中央を突破しようと試みます。数で圧倒するローマ軍はみるみるうちにカルタゴ中央を圧迫しはじめた。まもなく凹状になったカルタゴ軍をみて、中央突破はもうすぐだと考えたパウルスは、さらに軍を進軍させる。
一方、右翼ではカルタゴの最も強力なヌミディア騎兵がそうそうにワロ率いるローマ騎兵を敗走させていた。
カルタゴ軍の凹状になった中央と両翼の騎兵によって、カルタゴの隊列はローマ軍をU字に囲む形になっており、ヌミディア騎兵が背後までまわりこむと、包囲を完成させる。
これを見たハンニバルは控えていた歩兵を中央に投入し、包囲殲滅を行った(前216年8月)。
カンネーの戦いで敗れたローマ軍は、戦争によってハンニバルと決戦するよりは、疲弊させて弱ったところをたたく戦術を考案したファビウスの案を採用した。これは期待どおりの効果を上げ、じょじょにハンニバルのカルタゴ軍を疲弊させた。ハンニバルは何度も祖国に救援を求めたが、戦争の最中であっても主戦派と非主戦派は割れていた。
その間にもローマは力をつけ、さらに、ハンニバルの戦術を理解する将軍スキピオが執政官に就任する。
カンネーの戦いで一軍を率いていたスキピオはハンニバルの騎兵戦術を理解し、まず、ヌミディア騎兵を配下につけるため、カルタゴのスペインの拠点「カルタゴ・ノヴァ」を征服する(前210年)。次にバエクラでハスドルバルを破り、スペインを征服した。
前204年に元老院の反対を押し切って、カルタゴの本拠地である北アフリカに軍を進め、バグダラス河畔の戦いでカルタゴ軍30000人を完敗させる。
窮地に陥ったカルタゴ本国はハンニバルを召還し、ザマで決戦する。ハンニバルの戦術の基幹である騎兵を失ったカルタゴ軍はカンネーの戦いでローマ軍に行った騎兵による包囲を逆にローマ軍になされ、敗れた。

これによって、第二次ポエニ戦争は完結し、ローマはカルタゴに勝利したのだった。

余談
戦争終了後、スキピオはハンニバルに
「この歴史上で一番の将軍は誰か?」と問うた。
「一番はアレクサンドロスだ。」とハンニバルは答える。
「二番目は?」
「二番はエピロス王ピュロスだ。」
「三番目は?」
「それは私だ。」
「もし、私(スキピオ)にあなたが勝利していたら一番は誰だ?」
「それはまぎれもなく私だ。」と答えたという。

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