オランダの軽業師::歴史雑学
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オランダの軽業師

2006-01-04 ; 歴史雑学

さまよえるオランダ人の逸話は、幽霊船のいつわに酷似しております。今回はもうすこし深くみてみましょう。

●オランダの軽業師
海賊や忌まわしい残虐行為を犯したため、神の裁きを受けてこの世の終わりまで海上をあてなく彷徨う仕儀(しぎ)となったオランダ船のこと。あらゆる国の船乗りに信じられており、この船に出会うと凶兆とされる。当代のある作家がこの言い伝えを海を舞台に見事に描いているのでここに記したい。
幼いころ、船の横揺れに慣らそうと老いた父は私を腕に抱いてゆすりながらよく話しをしてくれた。また父はこれがまったくの実話だと誓っていた。
ある晩、ケープタウンの沖合いで一人の見習い水夫が、日ごろ毛嫌いしていた一匹の猫を無残にも生きたまま海に放り込んだのだ。すると、まるで申し合わせたようにたちまち恐ろしい突風が船に襲い掛かり、わずかな帆でさえ張ってはおれぬありさまとなってしまった。
船は仕方なく帆を降ろし、速度を落とし突風を抜けようと試みる。そうこうしているうちに真夜中になり、船乗りたちは驚嘆する!なにしろこの荒れ狂う風に乗って、みたこともない造りの船がまっすぐに向かってくるのだ!
その船は、帆はぼろぼろに垂れ下がり、乾舷ときたらまるで大昔から掃除などしたかのないように、貝殻だの海草だのが厚くびっしりとはりついている。
船乗りたちが、その妙な船を観察しているうちに、小舟が1艘降ろされたが、そいつは浮かぶというより、飛ぶようにして嵐の海を進んでくる。
そしてわれわれの船に横付けすると、一人の男が現れた。
その男は、長いひげを生やし顔は蒼白で、目は死人のようにうつろにすわっている・・・。さらには、まるで亡霊のように物音一つ立てずに手すりから甲板を滑って陣取ると、船乗りたちに骸骨のように骨ばった手に持った紙の束を差し出して、受け取ってくれと泣いてせがむのだ。
だが船長は決して受け取るなと指示を出す。
いい忘れたが・・・と私の父は声をひそめて言ったが、すでに聞いている私たちはだんだん怖くなって、お互いに身を寄せて縮こまっていた。父は続ける・・・・
その不気味な幽霊みたいなやつが甲板に足を踏み入れたとたんに、全ての明かりが消えてしまった。羅針盤の中を照らした光までもが!
そしてそれと同時に、こいつも妙なことだが、船が風と波に逆らって、びっくりするような速さでバックし始めたのだ。網具の間では無数の小さな炎が戯れあって、おびえきった水夫たちの顔を照らしている・・。
「万能の神の名において、私の船から立ち去るように命じる」と船長がその幽霊に向かって叫ぶと、その言葉が終るか終らぬかのうちに、1000人の人間が集まってもこれほどの声は出せぬと思えるような叫び声が嵐の騒音をかき消すように響いて、ものすごい雷鳴が船を竜骨まで揺さぶった・・・。
その船はめったにないことだが、どうにかこの場を逃れることができた。また、オランダの軽業師と呼ばれる幽霊乗組員から、両親や友人あての手紙を預かった者は、それらの受取人がとうの昔に他界してしまっていることを知ったという・・・・。

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    Comment

    くまエルフ : 2006年01月04日(水) 12:06 URL edit
     業の深い話ですね………

     個人的には大航海オンラインにも、強烈な敵キャラとしての幽霊船としてではなくて、ときおりやってくる嵐の中に幽霊船がすーっと進んでいくイベントとか欲しいですよね。
     そしてセイレーンの泣き声の数倍ひどく、船員たちが減っていくとか。

     致命的?(苦笑
    めけ : 2006年01月05日(木) 01:46 URL edit
    幽霊船が出たら、必ず舵か帆が壊れるとかならかなり怖いイベントになりますね!
    それに加え船員が減ったら・・・うああああ。
    くまエルフ : 2006年01月05日(木) 09:11 URL edit
     帆や舵が壊れた上で、船員が減っていく………うわ致命的~
     でもその代わりに「荷崩れしない」という効果(幽霊船が収奪するという話は聞いたことがない)がついたら、みんな歓迎しそうな気がします(笑
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